
静けさと共に。奥宮。
個人的にはしばらく結社で休憩したかったが、最初のバスの立ち往生でそんなゆっくりする時間もない。
最後の目的地、奥宮へ向かうこととした。
歩き進めると、またもや灯篭に囲まれた参道に差し掛かる。
緑と赤のコントラストが綺麗だ。

奥宮へと続く参道
中宮を超えてからは苔も多くなり、周りある杉も大きく見える。
最初の本宮のアトラクション感を忘れてしまうかのようで、ジブリの世界に迷い込んだような気がした。
歩くこと5分ほど。
奥宮へ到着した。

奥宮の入り口
緑が近くに感じられた参道からは打って変わって、一気に視界が開けた。
大きな敷地の中、奥に舞台と社があるが、中央は大きく開けている。
太陽が眩しい。

太陽の日差しが強く当たる
朱色の門を潜ったらそこより先は自然の色しかない。
お社は木材そのものの色で、白と緑と茶色の世界だ。
ひっそりと佇むお社
社務所はここにはなく、参拝者のみ。
手前に太陽が差し込み開けた眩しい場所と、奥の木々に囲まれた場所に にひっそりとあるお社と、あまり使われてなさそうな舞台が対照的で、少し、寂しく感じた。

太陽の下に広がる大きな敷地と、奥に見える舞台とお社。実際の敷地はこの写真の3倍くらい。
こんな山奥に開けた場所があるなんて、昔はここにもっと何か他に建っていたのだろうか。
それか、祭事を行う場所なのかもしれない。
とても神聖な、それでいて公園のような親しみもある、そして土地と共に心も開けるような不思議な場所。
一歩一歩足を踏み出すにつれ、穢れが落とされる
参拝をするため、奥まで歩いていく。
何か道があるわけでもなく、お社にたどり着くまで、何もない道を歩いていく。
一歩一歩踏み出すにつれ、「煩悩の塊の人間」→「ホモ・サピエンス(生物学的人間)」になったかのよう。
縁結びを願いに来たことを忘れるかのようで、そこには何の思いもない、ただただ木があって、人がいて、自分も自然の一部になったかのような気持ちになった。
参拝場所は木々に囲まれ、そして2匹の狛犬に囲まれた舞台の奥に人目を避けるかのようにひっそりと鎮座していた。

開けた土地の奥だけ、木に囲まれている
人々が縁結びを求めるように、人は一人では生きていけないのかもしれない。
が、ご縁があったとしても、自分の気持ちを決めるのは最終的には自分一人だ。こういった自然の中に入り込むと、ご縁があってもなくても、一人の人間として自立するように言われているような気がした。
大きな気が真っ直ぐ上へ上へ伸びているように。
異種が支え合う「連木の木」
そんな思いを馳せながら、帰ろうと引き返していると、入って来たときには気づかなかったが、2種の木が重なった非常に珍しい「連木の木」があった。杉と楓が一緒になっているそうだ。

杉と楓が和合した非常に珍しい木
すごい。夫婦になるということは、こうやって全く違う人間が共に上へ上へと成長していくことなのか。
私は他人を受け入れられる器を作ることから始めようか。
行ってみた感想
何も考えずに参拝をしに来た今回。
最初はなんだかクールジャパンを堪能しに来た外国人観光客の気分であったが、中宮、奥宮へ続くにあたり、場所場所によって全く味わう雰囲気が変わり、最後は気づいたら俗世間の雑音など思い出しもせずに自然の一部になったかのようだった。
きっと、こうやって素の自分に戻り、参拝の過程で自分を見つめ直すことができることが、次に繋がるのではないかと思った。
良いご縁も欲しいが行ったことでリフレッシュにはなったのでひとまず良しとする。
これが神社がパワースポットと言われる由縁なのかもしれない。
初心者神社巡りは続く。
ご案内
- 住所・参拝時間
京都市左京区鞍馬貴船町180
TEL:075-741-2016
参拝時間:時期によって変わります。詳しくは公式HPへ
- 電車をご利用の方
叡山電車「貴船口」駅
・貴船口駅下車、京都バスに乗り換え「貴船」下車
・貴船口駅からの徒歩の場合は約30分(2km)
- バスをご利用の方
京都バス(33番)「貴船」
・貴船下車、貴船神社までは徒歩約5分
- 公式HP:貴布禰総本宮 貴船神社
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